昔、太陽と月は夫婦でした。
2人はいつも一緒でいつでも一緒の空に居ました。
しかし、いつごろか増え始めた人を月が嫌い滅ぼうとしたせいで、
太陽は怒り月に暗い半分の空にしか出ることを許さず、太陽は反対もう半分の空にしか出なくなったそうです。
その為月と太陽は同じ空に出ることがなくなったそうです。


「それで太陽は昼に、月は夜に出るようになったそうです」
「へぇ〜、そんな話があるんですかぁ」
「えぇ、昔ある文献で読んだんです。ちょっと悲しい話ですが、夢はあると思いません?」
「そうだなぁ、きっと月は嫉妬したんでさぁ。人は太陽に惹かれ必要とするもんだから」


そう言うと縁側に座っていたサディクさんは同じく縁側に座っている私へと向き直りました。
いつも白い仮面で見えない素顔は、隠されることなく見ることができます。


「まぁ、俺だっていつも心落ちつかねぇってもんですがね。」
「はぁ?」
「何せ俺の太陽も、えらく多くの奴らに好かれていていつ横からかっさらわれるかわかんなもんで」
「……?」
「ま、盗らせる気もさらさらねぇーけどな。それに俺はその月みてぇに太陽に嫌われるような真似はしませんがね」


そう言うってサディクさんは私の手を取り口元へと運ぶと、まるで何か誓いを立てるように口付けしました。


「ですんで、どうか嫌わねぇでください。俺の太陽さん」
「…………!!////」




ある月と太陽のお話











冒頭の話は、
管理人が昔読んだ本に書いてあった話です。

うる覚えなのであまりあてになりませんが、
よく2人が太陽と月に例えられるので一度書いてみたかったお話です。