私の目の前に居るのは、誰なのでしょうか?
今自分が置かれている状況を、私は全く理解できていません。
私は部屋の中に居ます。
壁や天井は白く、
床は冷たいコンクリートで出来ていて私が部屋の真ん中で座っている木の椅子以外には家具なども全くない簡素な部屋です。
そして私の他には、
今私の目の前の床に蹲り、私からは見えない顔をぐちゃぐちゃにさせて泣いているのであろう人が居ます。
顔は見えないのですが、泣いていることはわかります。
なぜなら、
私が居る部屋の中にはその人の鳴き声が単調にけれどはっきりと響いているのです。
私の目の前の人は、誰なのでしょうか?
私はちゃんと働かない頭を一生懸命動かし考えましたが、明白な答えは一向に出てきません。
顔が見えない分、
私から見える髪の色や推測できる髪型泣き声から推測する声で何とか思考を巡らすのですが、
やはりそんな少ない要素だけでは目の前の人を私の記憶から探り当てるのは到底無理なようです。
いや待て。
私は本当にそれだけがわからないのでしょうか?
翌々考えてみれば、
私は他人の記憶一切持っていないのです。
それ以上に、
私自身の記憶も持っていないのです。
その事実がわかった途端、
私はどうしようもない疲労感に襲われ眩暈を感じました。
しかし、悲しみや苦しみ、不安感、絶望は一切感じません。
どうしようもない疲労感が私を支配するだけなのです。
眩暈を感じつつも、私はその事実をあっさりと受け入れた。
そうやっているうちに眩暈も収まり、私は真っ白な天井を見上げました。
幸いなことに、
私は目の前の人がどうして泣いているのかだけは、一切気になりませんでした。
幸い
『幸せ』について考えた結果がこうです。
間違ってる感はヒシヒシと感じてます!!
泣いてる人は誰かは、
御想像にお任せします。